木山&三代目の怪しい(!?)トーク!!

その2・サンクス行進!?の巻。


  パソコンの前。木山が座っている。
  一人でくすくす笑っている木山。だんだんボルテージが上がり、とうとう大笑い。
  そこに雅貴が現れる。

  雅貴:(不思議そうに)
     「センセ、何やってんの?」
  木山:(パソコンを指差して)
     「いや、これこれ!」
  雅貴:(パソコンを覗き込む)
     「これって、親父の声をやってる岡野浩介さんのホームページじゃないか?」
  木山:「そう!岡野さんの岡野浩介ですだよ!サウンドファイルが秀逸でね!Jr.の声や烈火の声が……。
      それから、掲示板の書き込み数が半端じゃないんだよ。入力コメントが一週間も経たずに消えてんでやんの。」
  雅貴:「いいよな、親父は。俺も声やってほしいよ。」
     (指をくわえる。)
  木山:(あきれた調子で)
     「アニメに出来るわけが無いって!これはパロディーだぞ!」
  雅貴:(語気を強くして)
     「いや、ボランティアでサウンドドラマを作ってくれるとか!」
  木山:(慌てて)
     「飛鳥ちゃん!岡野さんはこれで食ってる人だぞ!なんって失礼な事を………!それに、もし出来ても一人二役!?
      忙しいでしょうが!」
  雅貴:(残念そうに)
     「そうだね………。でも、もしもダブルASUKAをサウンド・ドラマにするとして、誰が合うかな?」
  木山:「飛鳥ちゃんしつこい!でも、興味あるけど。」
     (熟考するが、すぐに思い直したように)
     「そういう事は置いといて、何で僕がこのページにアクセスしたと思う?」
  雅貴:(熟考しながら)
     「やっぱ、母さんたちはすでに決まりだな。恋美や俺なんかだと………。」
  木山:(頭を抱えて)
     「ああああ!聞いてねぇ!」
  雅貴:(ふと思い直したように)
     「で?何の話だったけ、センセ。」
  木山:「いや、何で僕がこのページを………。」
     (疲れている。)
  雅貴:「あ、そうそう!なんでだ?」
  木山:「何と、岡野さんがこのダブルASUKAの事件簿を見に来てくれたらしいんだ!」
  雅貴:(ジト目)
     「うっそだぁ。」
  木山:「本当だって!向こうの掲示板にこのページの事を書いたら読んだって返事来たもん!」
  雅貴:「あーそうですか。」
  木山:「あー!こいつ信用してねぇ!岡野さん、もしまたきたらこの頑固者を納得させるメールをください!」
  雅貴:(ますますあきれた口調。)
     「メールの強要は罪悪だぞ。まったく………。岡野さん、もし本当だったら失礼ですから謝ります。それから、俺の活躍、
      楽しんでくれてありがとう!」
  木山:「岡野さん!来てくれてありがとうっ!」

  木山:「つぎのページはこれっ!」
  雅貴:「あ、これSENSON☆ゞさんのくるならきてみろっ!だ!リンク、ありがとうございますぅぅぅぅ!」
     (大興奮。)
  木山:(にやりとして)
     「そのなかの、これだぁっ!」

  木山、気合いを入れてマウスクリック!出てくるのは、くるならきてみろっ!の一本気なセイント・テールリンク。

  雅貴:(首をかしげて)
     「え、と『ぱちくり☆なページ』か。ええぇぇぇぇぇぇっ!」
  木山:「そう!ここで、このダブルASUKAのページが紹介されてるんだ!」
     (一本気的気合!)
     「それじゃあ、見ていくぞっ!」
  雅貴:「聖良おばさん……何やってんだ?いきなり!」(あきれ口調)
  木山:(淡々と)
     「盗聴は犯罪だよな。でも、うっかり置き忘れただけだし(激笑)」
  雅貴:「親父と母さん、むちゃくちゃ照れまくりだよ!おい!」
     (今の二人からは信じられないと言う口調)
  木山:「昔は二人も純なのさっ!雅貴がいるのに、後ろから刺されてるわけ無いよな。」
  雅貴:「コメントはそれだけかいっ!」
  木山:「さて、お前の話だぜ。」
  雅貴:「FILE 1『爆弾魔の嘲笑』事件だな。」
  木山:「ほら、アスカJr.『おれだってそんなことできねーぞ!?』だって。もしかしてお前、親を超えた?」
  雅貴:「おーおー。怒られてるよ。親父。でも、親父の活躍教えてくれたのって母さんなんだよ。実は。」
  木山:「そうだったのか!?」
  雅貴:「もっとも、探偵として必要な知識と心得は親父に子供の頃から聞かされてきたし。」
  木山:(あきれて)
     「つまり、お前がそんな風になったのはあの二人の共同責任と言う事かい………!」
  雅貴:「ついでに言うと、このきっかけとなった事件は母さんの命が懸かっていたから。」
  木山:「そうか!アスカJr.は芽美ちゃんのためにボムス・ボーイを……!」
  雅貴:「そーゆーこと。」
  木山:「お『よぉぉーーしボムスボーイめE度胸だ! 捕まえしだいスマキの巾着ボーイにして聖華堀にほうり込んで、二度
      目の犯行なんかできないようにしてやる! 覚悟しろぉぉ!』だって。結局、やらなかったからあいつは復活したん
      だよな。芽美ちゃんも『こーんな爆弾魔、Q極奥義『セイントマジカルファイナルフラッシュ』(※セガサターン版
      セイントテール)でけちょんけちょんのほぇほぇにしてやるんだからっ!』だって。」
  雅貴:(あっさりと)
     「やったよ。」
  木山:(一瞬凍り付き、沈黙の時。ぎぎぃっと雅貴のほうを振り向く。)
     「……………え?」
  雅貴:「だからやったんだって。親父。聖華掘の底にセメントの靴履かせて。」
  木山:「まじかいっ!」
  雅貴:「リナおばさんが見つけなかったら、死んでた。もみ消すのに苦労したそうだよ。後で聞いた話だけど。」(淡々と)
  木山:「アスカJr.って………。」(汗ジト)

  木山、気を取り直して。

  木山:「さあ!つぎはFILE 7 『やってきたトリックスター』事件!」
     (そう言ってはいるが、重要な部分は画面から消した状態で雅貴に見せている。)
  雅貴:「あ、親父泣いてる。」
  木山:「これねぇ。僕がダブルASUKAの由来を話した事を受けた部分か。」

  木山、その部分を指差す。
  木山の指差した部分を以下に表示する。

     芽美:「雅貴と明日香ちゃんでダブルアスカの事件簿なんだって。」
     アスカJr.:「おれは? おれは違うのか? そんなのってありかよ!
            トリプルアスカの事件簿に改名を要求するぞぉ〜 T^T」
     芽美:「はいはい、いい子だから泣かない泣かない。(^^;」

  雅貴:(むちゃくちゃ汗ジトかつあきれて)
     「親父、何考えてんだ!俺は息子として情け無いっ!」
     (むせび泣く。)
  木山:「このダブルASUKAの事件簿は、サブタイトルが『The Problem Files of Asuka the 3rd』なんだよ。
      だからどうしても雅貴のすぐ近くの人間がメインになるのは仕方の無い事なんだ。だから、雅貴の
      親よりライバルのほうが目立つのはどうしようもない宿命だね。もっとも、初期や明日香の出ない
      もしくは出番の少ないFILEはダブルASUKAの意味合いが自然と3rd&Jr.になるけど。」
  雅貴:(激昂して)
     「大体息子の事件にまで首突っ込んでまで顔を売りたいか!?セイント・テールの一件で十分じゃないか!」
  木山:(なだめながら)
     「まあまあ、落ち着いて。アスカJr.もそんなつもりは無いよ。ただ自分がないがしろにされてんじゃないかと思って
      いるだけだろ。」
  雅貴:(まだ激昂してる。)
     「俺が親父をないがしろにするかよ!俺の謎は俺が解くっ!ただじっと見守ってくれりゃいいの!」
  木山:「それがなかなか出来ないのが親ってもんさ。ま、気にするな。」

  雅貴、ため息をつきながら更に続きを見ようとする。
  隠している部分が出てきそうなので木山、慌ててそれを止める。

  雅貴:「なにすんだよっ!」
  木山:(ため息ついて)
     「ここから先は作者しか知ってはならない極秘事項。さ、向こう行って。」
  雅貴:「いいじゃないか!センセのけちっ!」
  木山:「はいはい。も少ししたら、電話がかかってくるんだよ。あっち行って。」

  雅貴、しぶしぶ部屋を出ていく。
  タイミング良くベルが鳴る木山の机の上の電話。

  木山:(受話器を取って)
     「はい、もしもし。木山です。」
 明日香:(気楽な声で)
     「もしもし、ルージュでーす(はぁと)。」
  木山:「あ、ゆうきちゃん。『くるならきてみろっ!』ホームページ見てくれたかな?」
 明日香:「今見てまーす!」
  木山:「どう思った?」
 明日香:「別に?事実だし。あたしもまだまだ修行が足りないわ。いつか、セイント・テールをも
      出し抜ける立派な怪盗になるんだからっ!」
  木山:「夢は大きいんだね。」
 明日香:「ええ。でも、それもうわべだけの事。あたしが怪盗をやってる本当の目的は………。」
     (むせび泣く明日香。)
  木山:(すまなそうに)
     「あ、悪い事を思い出させちゃったね。ごめん。ゆっくり寝てね。」
 明日香:「ええ。ごめんなさい。さよなら。」

  切れる電話。

  木山:「おーい、飛鳥ちゃん、もう入ってもいいよ。」

  雅貴、部屋に入ってくる。

  雅貴:「電話。終わったか?センセ。」
  木山:「ああ。終わった。で、次なんだけどここ。」
  雅貴:「おいおい!喧嘩になってるよ!え?いつの間にルージュのやつが俺の部屋に!?」
  木山:(慌てて)
     「あーあーあー!細かい事は考えずに次々行こうっ!」
  雅貴:「そうだなっ!なんかセンセ焦ってるしっ!」
  木山:「どきぃっ!」
  雅貴:「あ、反応面白い。」
  木山:(激昂して)
     「いいかげんにしろっ!それよりこれっ!」
     (画面を指差す。)
  雅貴:「えーと、なんか最初のプロフィールはあってるけど、あとは二人の悪口合戦だな。」
  木山:「最初のほうはあってるよな。」
  木山、再び画面を指差す。

  木山が指差した表示部分は、

    芽美:「そう言うことじたいが鈍感キングなのよ! だいたい雅貴があとさき考えないまず行動の猪突猛進一本気に
        なっちゃったのは、アスカJr.に似たんじゃない!」
    アスカJr.:「じょうだんじゃない! 雅貴が強情でノせられやすくて高いとこ登るのが好きで屋根の上なんか走りま
           わるようになったのは羽丘に似たんじゃないか!」

  雅貴:「否、否定したいけど否定できない………。」(汗ジト)
  木山:「ま、問題はこの次だよな。」
     (画面を指差す。部分は以下の通り。)

    芽美:「なによ! 血統書つき音痴で学年主席ではんぺん好きの牛乳嫌いでお料理得意で自転車が似合って女に苦労する
        家系に生まれたのだってあなたの影響よ!」
    アスカJr.:「うるせぇ! 涙もろくてセロリも嫌いで困った人をほっとけない元気ばっかり人一倍のパパっこ夜遊び大
           好き数学26点はおまえのせいだぞ!」

  雅貴:「血統書付き音痴は、母さんの家系で中和されたぞ。涙もろくてセロリが嫌い、元気ばっかり人一倍のパパっこで数学
      26点は、こりゃ恋美だよ。」
  木山:「お前、セロリ好きだっけ?はんぺんは好きでもなければ嫌いでもないよな。それから、お前牛乳良く飲んでたよな。
      その割に背が低いが。」
  雅貴:(いきおいづいて)
     「それはともかくっ!」
  木山:「………ごまかしたな?」(ジト目)
  雅貴:「見つかってるぞ!聖良おばさんの隠しマイク!」
  木山:「しかもSENSON☆ゞさんが仕掛けたと誤解されてる!大丈夫かSENSON☆ゞさん!」
  雅貴:「この後、どうなったのかぜひ知りたいね。帰って親父に聞いてみようかな?」
  木山:「この後どうなったのかぜひ教えてね、SENSON☆ゞさん!無性に気になる。」
  雅貴:(慌てて部屋を出て行きながら)
     「それじゃあ、さっそく!それじゃ!センセ!」
  木山:「おう、じゃあな、飛鳥ちゃん!」

  雅貴出て行って、木山が一人。

  木山:「そうそう、めいみ@rubyさん、それからひめさんリンクありがとうございます。」

                                幕

      後日談

  ベルが鳴る。電話を取る木山。

  木山:「はい、もしもし。」
  雅貴:「もしもし?センセ?嘘は良くないよ。」
  木山:「嘘?誰が?」
  雅貴:「センセが。」
  木山:「どうして!」
  雅貴:「センセ、あれからまた岡野さんの掲示板に書き込んでたでしょ。」
  木山:「ああ。そうだけど。」
  雅貴:「近いうちに見に行くって、岡野さん書いていたよ?近いうちに見るって事は、まだ見てないって事だ。つまり、
          岡野さんはここに来てないって事だよ。」
  木山:「………だって、このページの内容をきちんと言い当てて……だから来てたものと…………。」
  雅貴:「胸に手を当てて考えろよ。来たって書いてあった?」
  木山:「………無かった……。」
  雅貴:「センセもかなり一本気に勘違いするタイプだね。」
  木山:「悪かったな!どうせ俺も獅子座のA型だよ!」
  雅貴:「このことで、岡野さん怒らなきゃいいけど?この間のトーク内容でね。」

  木山、顔からさあっと血の気が引く。

  木山:「ああぁぁぁぁぁぁ!どぉしよぉぉぉぉぉぉ!」
  雅貴:「早めに謝って、トークにもお詫びを入れとく事だね。手後れにならなきゃいいけど?」
  木山:「ううううっ!」
  雅貴:「だから言ったんだよ。嘘だろって。ま、世の中そんなに甘くないって事。分かった?センセ。じゃあね。」

  切れる電話。

  木山:「そう言うわけで、一方的勘違いで間違った情報を伝えてしまった事をお詫びします。申し訳ございません。」

                                 後日談・幕

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